市民公開講座を開催しました。

 令和7年11月8日(土)午後2時から、「鶴岡市先端研究産業支援センター・レクチャーホール」で、「あなたの知らない唾液の力!お口や全身の健康の救世主!」と題して、鶴岡市市民公開講座を開催しました。槻木恵一神奈川歯科大学副学長・環境病理学分野教授と、杉本昌弘慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授・先端生命科学研究所所長補佐を講師にお招きし、146人(一般参加者104人+歯科医師会関係41人)が参加しました。

はじめに、杉本先生が「体の不調がわかる唾液のスゴさ」と題しての講演しました。全身の様々な疾患を、唾液でモニタリングできる可能性を示唆する研究成果が出ていることや、唾液検査で疾患を早期発見することができるようになったと説明がありました。免疫力、認知症、腸内環境など、口腔内環境がもたらす様々な影響も報告されているので、口腔内環境を整えて、がんのリスク因子を減らすことも重要と強調していました。

続いて、槻木先生が「唾液の持つ免疫力で健康パワーアップ!」と題し、講演しました。冒頭で、口の健康管理が命の源であり、唾液が口の健康を支えていると説明がありました。オーラルフレイルや歯周病などの歯科疾患と多くの全身疾患との関係が指摘されており、口のトラブルが体全体に悪い影響が起こることを強調していました。近年、高齢者の虫歯が増加しており、理由の一つとして、高齢になると唾液量が減ってくるためと話されました。口腔の免疫において、唾液に含まれるIgA抗体が大きな役割を持ち、体内に入る前の抗原物質をブロックする機能があり、大変重要で、唾液内IgA抗体が30%以下になると風邪をひきやすくなる研究もあることを解説していただきました。このIgA抗体を上げるために、唾液の質と量を上げる必要があると述べました。唾液腺マッサージの実演やテレビ番組出演時のエピソード等、聴衆を虜にする講演でした。

両講師とも、生成A Iを使用した動画やT V出演時の動画を取り入れ、大変魅力的なプレゼンテーションで、聴衆が唾液の最新知識を無理なく得ることができたと思います。質疑応答も活発に行われ、大変に盛況に終わりました。